2010-06-08

映画『パリのレストラン (Au Petit Marguery)』

Au Petit Marguery


辻調の勉強会「辻調塾6月のテーマは、
おいしいフランス映画を観る。
私も参加させていただきました。


物語はパリの街角で愛され続けてきた
レストランAu Petit Marguery」が
閉店を迎えた夜の話。
アペリティフのシャンパーニュから、
前菜、メインディッシュ、
フロマージュ、デザート、
食後酒を終えるまでの場景の中で
過去が回想され、
レストランのオーナー夫妻を軸に、
さまざまな登場人物たちの
人生模様が散りばめられています。
料理を調理したり食べる様子は、
描写がリアルで食欲をそそるし、
余興のブラインドテストでは、
数種類のブルゴーニュワイン銘柄が…。
複雑な人間の心理描写を、
一晩の食事の中に織り込んでしまう
という手法もフランスらしい。

出演者の中に現在パリのオデオン座の
芸術総監督を務めるオリヴィエ・ピィを見つけて驚き。
日本では劇作家・演出家として知られていますが、
俳優としてのオリヴィエ・ピィを初めて見ました。
(オリヴィエ・ピィ作『若き俳優への手紙』は、
宮城聰 演出、平田オリザ 台本で、
Shizuoka春の芸術祭2010にて上演予定
2010年6月12日 13日)
Shizuoka春の芸術祭2009については こちら ▶

この映画 (原題 Au Petit Marguery)は
ローラン・ベネギ監督の1995年の作品。
原作を執筆した監督の自伝的な物語でもあり、
舞台となっているのが70年から80年頃のパリ。
それでも街角で愛されているレストランの雰囲気は、
今も変わらず受け継がれている気がします。


この日、コメンテイターをされた
肥田順フランス料理主任教授
辻調グループ校大阪)のフランスでの
実体験にもとずいたお話も興味深かった。
この時代にフランスのポール・ボキューズの厨房で
修業をされたときの経験は、
映画の描写と重なる部分も多いのだとか。
冷蔵庫の中の板版が今のようなステンレスではなく、
木製を使用していたことも始めて知りました。

自分自身の生きざまについて
考えさせさせられるのと同時に、
フランス料理って楽しくておいしいな、
と実感させてくれる映画でした。
人生をおいしく考えたい方にお勧めです!

ちなみに舞台となったAu Petit Marguery」は、
パリ13区に実存するレストランです。
料理の内容はもちろん映画とは異なりますが、
パリを訪れる機会があれば
のぞいてみてはいかがでしょう。

小山さんお誘いいただきまして
ありがとうございました!


photos ©Les Films du Losange



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

【関連記事】おいしい映画

♦ 映画『オカンの嫁入り』は、こちらから ▶

♦ 映画『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』は、こちらから ▶